胆膵グループ 診療のご案内
横浜市立大学 肝胆膵消化器病学教室 胆膵グループでは、胆膵領域の専門的な診療でお役立ちたいと日々尽力しております。健診や日々の通院で胆のう、胆管、膵臓に病気がみつかった場合、あるいは病気が疑われる場合など、お気軽にご相談いただければと思います。 大学病院ではありますが、救急診療も24時間受け付けております。胆管炎、黄疸、急性膵炎など、治療を急ぐ疾患も迅速に対応できるよう準備しております。 また明らかに胆膵疾患が疑われるわけではありませんが、腫瘍マーカーだけが高値の場合や、健診の超音波にて腹腔内腫瘍が指摘された場合など、腫瘍の発見や診断につきましても当グループが積極的に行っております。是非、ご相談ください。
当グループにご相談いただいた診断・所見など
1) 胆のう
- 胆のう結石、胆のうポリープ、胆のう腫瘍(疑い)、胆のう壁肥厚、胆のう炎 など
2) 胆管
- 胆管拡張、総胆管結石、胆管腫瘍(疑い)、胆管炎、乳頭部腫瘍(疑い) など
- γ-GTP高値、ビリルビン高値 など
3) 膵臓
- 膵管拡張、膵のう胞、膵腫瘍(疑い)、膵の石灰化、膵石 など
- アミラーゼ高値 など
4) その他
- 腫瘍マーカー高値、脾腫瘍、腹腔内腫瘍 など
当グループの診療体制
新患外来は平日毎日受け付けております。
紹介状をお持ちの上、平日初診受付時間内(午前8時30分~午前10時30分)に、外来にお越しください。時間内に間に合わない場合などは、事前にご一報いただければ対応可能であります。急患は随時受け付けいたしております。
【担当医】
初診のご案内:http://ycu-hepabiligi.jp/doctor/index.html#request
当グループで実施している検査・治療
胆膵領域の適切な診断、また悪性疾患の早期診断・撲滅を最大の目標に掲げております。
胆膵領域の臓器の診断・治療におきましては、専門的な知識による診断・治療の戦略、またそれを支える手技および技術が必要となります。当グループでは、専門の施設で修練を積んだスタッフが診療にあたり、消化器外科、臨床腫瘍科、放射線科、緩和ケアと連携しながら最新の診断・治療を行うことを心掛けております。
CT検査
- 64列および80列のCT装置を有しており、マルチスライスCTでの詳細な画像診断が可能であります。ダイナミックCTはもちろんのこと、血管3Dなど特殊な撮影にも対応しております。
MRI/MRCP(Magnetic Resonance Cholangiopancreatgraphy)検査
- 1.5T(テスラ)および3TのMRI装置を有しております。MRCP検査により、胆のう、胆管、膵管を同時に抽出することで、疾患の診断や早期発見に有用であることが報告されております。
PET-CT検査
- 核医学検査であるPET-CT装置を施設で有しております。悪性疾患の診断がついている場合、病気の拡がり(Staging)の診断に有用であります。
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP:Endoscopic Retrograde cholangiopancreatography)
- 専用の内視鏡(側視鏡)を用いて、胆管や膵管のカテーテル造影検査を積極的に行っております。診断では、胆管腫瘍や膵腫瘍、胆管狭窄の精密検査など、治療では総胆管結石や閉塞性黄疸のステント治療など、県内でも最多数例の経験があります。
術後腸管に対する小腸鏡を用いたERCP
- 過去の手術により、通常の内視鏡では胆管まで到達できない症例に対して、小腸鏡を用いたERCPを積極的に行っております。県内でも最多数例の経験があります。
超音波内視鏡(EUS:Endoscopic Ultrasound)
- 先端に超音波端子となっている特殊な内視鏡を用いて、胆のう、胆管、膵臓の精密検査を行います。CTやMRIで異常がないように見えても、EUSで初めて病気が見つかる場合があり、胆膵領域では必須の検査となっております。
超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA:EUS guided Fine Needle Aspiration)
- EUSを用いて、通常の内視鏡では採取できない腫瘍などの針生検を行うことができます。適応として、膵腫瘍、リンパ節腫大、消化管粘膜下腫瘍などが挙げられます。2010年に保険適応となった検査ですが、県内でも最多数例の経験があります。
超音波内視鏡を用いたドレナージ治療
- EUS-FNAの技術を応用したドレナージ治療が可能であります。適応として急性膵炎後の膵嚢胞や膵壊死(膵嚢胞ドレナージ)、通常のERCPが不能な閉塞性黄疸(胆道ドレナージ)や膵管閉塞(膵管ドレナージ)が挙げられます。2012年に保険適応となった検査ですが、県内でも最多数例の経験があります。
<急性膵炎による腹腔内膿瘍の治療>急性膵炎による腹腔内膿瘍の治療>
・超音波内視鏡下胆管十二指腸吻合術(EUS-CDS)
・超音波内視鏡下肝内胆管胃吻合術(EUS-HGS)
内視鏡的乳頭腫瘍切除術
- 十二指腸乳頭部に発生した腫瘍を内視鏡的に切除する治療です。乳頭部には胆管および膵管が開口しているため、偶発症に留意しなくてはいけません。切除に加えて胆管・膵管にステントを留置するなど、専門的な技術が必要となります。
経口胆道鏡・経口膵管鏡
- 側視鏡を通して、胆管および膵管の中に挿入することができる、専用の小型カメラを使用した検査を行っております。難治性の総胆管結石のEHL(電気水圧衝撃波胆管結石破砕装置)や、診断困難な胆管および膵管腫瘍の診断を積極的に行っております。
2017年の横浜市立大学附属病院における胆膵グループの診療実績
検査・治療 | 2017年の件数 | 過去5年の総件数 |
ERCP | 809件 | 4065件 |
うち術後腸管に対する小腸鏡ERCP | 105件 | 496件 |
ESP(内視鏡的十二指腸乳頭部切除術) | 6件 | 34件 |
EUS観察 | 599件 | 1820件 |
EUS-FNA | 153件 | 692件 |
超音波内視鏡を用いたドレナージ治療 | ||
膵嚢胞ドレナージ | 5件 | 38件 |
胆道ドレナージ | 23件 | 73件 |
膵管ドレナージ | 1件 | 9件 |
内視鏡的胃十二指腸ステント留置術 | 17件 | 106件 |
** 見学は随時募集しております **
胆膵領域の処置は専門的な技術、知識が必要です。
当グループでは、専門検査・処置の見学は随時受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。
問い合わせ先
横浜市立大学附属病院 肝胆膵消化器病学/内視鏡センター 講師 細野邦広
Mail:hiro1017@yokohama-cu.ac.jp Tel:045-787-2640
主な胆膵領域の疾患について
1) 膵臓の疾患
腫瘍
-膵臓癌 -膵神経内分泌腫瘍
膵嚢胞性腫瘍
-膵管内乳頭状粘液産生腫瘍(IPMN:Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm) -粘液性嚢胞腫瘍(MCN:Mucinous Cystic Neoplasm) -漿液性嚢胞腫瘍(SCN:Serous Cystic Neoplasm) -Solid-Pseudopapillary Neoplazm(SPN) -単純性膵嚢胞
良性疾患
-急性膵炎、慢性膵炎 -自己免疫性膵炎
2) 胆管の疾患
腫瘍
-遠位胆管癌、肝門部領域胆管癌 -十二指腸乳頭部腫瘍 -胆管内乳頭状腫瘍(IPNB:Intraductal papillary neoplasm of the bile duct)
良性疾患
-総胆管結石、急性胆管炎 -原発性硬化性胆管炎(PSC:Primary Sclerosing Cholangitis ) -IgG4関連硬化性胆管炎
3) 胆のうの疾患
腫瘍
-胆のう癌
良性疾患
-胆のう結石 -胆のうポリープ -急性胆のう炎 -慢性胆のう炎、胆のう腺筋腫症
胆膵専門医がいる関連施設について
横浜市立大学 肝胆膵消化器病学教室 胆膵グループでは、胆膵領域の専門的な修練を積まれた医師が横浜市内、神奈川県内、南東京の病院にて多数活躍しております。
横浜市立大学附属病院への通院が困難な患者様におかれましては、通院しやすい病院をお選びいただき是非とも、ご相談ください。
横浜労災病院
住所:〒222-0036 神奈川県横浜市港北区小机町3211
電話(代表):045-474-8111
医師:関野 雄典 医師
横浜栄共済病院
住所:〒247-8581 横浜市栄区桂町132番地
電話(代表):045-891-2171
医師:岩崎 暁人 医師
NTT東日本関東病院
住所:〒141-8625 品川区東五反田5-9-22
電話(代表):03-3448-6111
医師:藤田 祐司 医師
けいゆう病院
住所:〒220-8521 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-7-3
電話(代表):045-221-81881
医師:香川 幸一 医師
平塚市民病院
住所:〒254-0065 神奈川県平塚市南原1-19-1
電話(代表):0463-32-0015
医師:岩瀬 麻衣 医師
町田市民病院
住所:〒194-0023 町田市旭町2-15-41
電話(代表):042-772-2230
医師:谷田 恵美子 医師
茅ヶ崎市立病院
住所: 〒253-0042 神奈川県茅ヶ崎市本村5丁目15−1
電話(代表): 0467-52-1111
医師:佐藤 高光 医師