「肝胆膵消化器病学」は横浜市立大学附属病院の消化器内科部門です

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)


NASHとは

NASHとは、メタボリックシンドロームの肝臓における表現型とされる病気です。つまり肝臓がメタボになった状態です。NASHは時に肝硬変や肝細胞癌を発症する病気です。生活様式の欧米化によりメタボリックシンドロームが増えている今日、NASHの患者さんも増えており、NASHは最も注目されている肝臓の病気と言っても過言ではありません。しかし、肝臓は沈黙の臓器と言われるように、NASHであっても患者さんのほとんどは無症状です。NASHは症状がなく進行し、肝硬変や肝細胞癌を引き起こす病気であるため、健康診断などで脂肪肝や肝機能障害を指摘された場合には、病院を受診することが勧められます。

NASHの検査方法

NASHの診断やその進行の度合いは、今まで肝生検でのみ行われてきました。 我々は、患者さんに負担の少ない検査方法として、フィブロスキャンについて研究を行い、現在は世界で広く行われる検査となりました。また、MRIを用いたMRエラストグラフィーについても研究を行っており、その有用性を報告しています。

肝生検とは

超音波を用いて、右の脇腹より肝臓に針を刺し、肝臓の一部を採取する検査です。 病気の診断、進行度の把握、または治療方法を決定するために行う検査です。NASHの診療ガイドラインにおいても、肝生検は診断のための第一手段であり、当院でも数多くの肝生検を行っています。

当院での肝生検は2泊3日入院で行なっています。検査自体の所要時間は30分程度で、その後の安静時間を含めると約4~6時間になります。肝臓は血液が豊富な臓器ですが、針を刺した部位は自然に止血されます。肝生検は比較的安全な検査とされ、合併症としては、針を刺した時の軽度の痛み以外はほとんど認められていません。しかしながら、出血や気胸などの合併症も報告されています。

フィブロスキャン、MRエラストグラフィーとは

フィブロスキャンは超音波のような装置で、肝臓の硬さや脂肪の程度を数分で測定できる装置です。また、外来で検査を行うことが可能です。

MRエラストグラフィーはMRIと腹部に当てたプラスチック板を使用し、肝臓の硬さや脂肪の程度を測定します。外来検査で行うことでき、所要時間は約30分の検査です。どちらの検査も患者さんへの負担は少ない検査です。

お知らせ

2014.12.3

テレビ東京「L4 YOU!」に当教室の中島淳主任教授と結束貴臣医師が生出演し、 脂肪肝について解説しました。詳細はこちらです。

2014.9.7

当教室の中島淳主任教授が下記テレビ番組出演しました。 「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」 2014年9月16日(火)午後7時00分放送 長引く身体の不調を解消する! 肝臓の新事実 ○○病の人はアルコールを飲まなくても肝炎を発症する!】 http://asahi.co.jp/hospital/

2014.9.1

当教室の中島淳主任教授が下記テレビ番組出演しました。 NHK Eテレ 「今日の健康」 9月15日午後8時30分放送 「忍び寄る脂肪肝 あなたもナッシュ?」 9月16日午後8時30分放送 「忍び寄る脂肪肝 改善するには?」

2014.9.1

当教室の中島淳主任教授が監修した本が、診断と治療社から出版されました。  「見て読んでわかる NASH/NAFLD診療‐かかりつけ医と内科医のために」

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