「肝胆膵消化器病学」は横浜市立大学附属病院の消化器内科部門です

代表者挨拶

主任教授 挨拶

中島 淳
(なかじま あつし)
横浜市立大学大学院医学研究科
肝胆膵消化器病学教室
主任教授

交流はかけがえのない財産

横浜市大大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室は平成26年4月に開設したばかりの新しい教室です。しかしその前身の分子消化管内科学教室は開講後10年間にわたり25名以上の医学博士を輩出してきました。また発足当時、我々の教室には関連病院がありませんでしたが、現在では、横浜労災病院、茅ケ崎市立病院、NTT東日本関東病院、都立広尾病院や町田市民病院などに若手が多く就職し、多くの診療部長を輩出するにいたっております。これらの病院は各々違った特徴があるものの、すべて学会認定施設となっており、専門医資格も取れ、教育熱心で、一等地に立地しております。また、国内外の留学も盛んで、現在卒業生が米国に3名(NIH2名、マイアミ大学1名)、国内では愛知がんセンター、国立がんセンター、東京大学先端科学研究センター、名古屋市立大学などで研究や臨床研修に従事しております。現在の博士課程在籍者を含めると総計50名以上の方が当教室で学んでおりますが、多くの方が、国内外の学会でシンポジストとして、また各種学会賞を受賞してきております。また、我々の教室では国内外の臨床医との交流を特に大切にしております。医師の人間関係はとかく狭くなりがちですが、専門を同じくする国内の先生方のみならず海外の先生方との交流は若き医師にとってかけがえのない財産となっております。我々は、女性医師に対する配慮も先駆的なことを行ってまいりました、当大学の医局内に我々の教室が初めて女性専用の更衣室ロッカールームの建設工事を行いました。また、関連病院で勤務中の女性医師の出産などの際、大学から助っ人を派遣して安心して出産育児ができるように配慮しています。

 消化器内科領域の診療や研究は多岐にわたり、当教室では消化管、肝臓、膵胆道系疾患の3つのグループに分かれて診療、教育、研究さらには地域貢献を行っております。我々の教室は非常に若い教室ですが、皆で切磋琢磨し、これまで教室を盛り立ててきました。特に本年4月から膵臓グループの窪田医師が本学附属病院の内視鏡センターの教授に就任したことは非常に喜ばしい限りです。

 私が本学に赴任して14年になりますが、この間、皆さんの努力で約400報あまりの英語論文を世に出すことができました。この14年間多くの方が入門してくださいましたが、私はこれからも教室員それぞれが一生助け合う共同体として組織を継続できるよう、微力ながら、汗を流していきたいと思っています。また医師として全国各地から遠方にもかかわらず多くの患者様、特に難病やこれまでわかってない病気の患者様に当院に来院いただき、皆様ひとりひとりを丁寧に診察させていただきましたが、いずれの疾患に関してもも教科書にはどうすればよいかが書かれてないことばかりでした。日々の診療の積み重ねの結果、現在では、厚生労働省のガイドラインを作成させていただくに至りましたが、診断基準を作成した難病や、ガイドラインの作成などを通じて、若い先生に一言お伝えしたい点は、教科書に書いてあることよりも目の前にいる患者様がすべてを教えてくれるということ。目の前の患者様を真摯に診察することで未来の教科書が生まれることを考えながら日々の診療に携わっていただければ幸いです。

 病気はその時、その時代で変化します。その意味で教科書に書いてあることは過去のも の。目の前の患者様を治せるかが問われているということではと思います。

初期研修医の皆様へ

当教室の関連病院はいずれも地域の中核病院で、common diseaseを中心とした豊富な症例に触れることができます。また、いずれの施設も消化器主要学会の専門医育成認定施設になっており、当教室所属の部長 以下の上級医による熱心な指導の下、将来の資格取得が容易であるなどの特徴があります。特に内視鏡など消化器関連手技の指導には定評と実績があります。毎 年、「昨年より今年は指導効果が上がるように!」と創意工夫して指導を行っております。それはこれまで後期研修を終えた若手の先生方が終了時には一通りの 手技をマスターして、自信に満ちてくることで証明されております。若手の指導に対する熱意と誠意では国内随一と自負しております。興味を持った方はぜひ一 度ご連絡ください。将来一緒に仕事をすることを楽しみにしております。

大学院での研究や留学を考えている方に

当教室の大学院博士課程は横浜市大大学が大学院大学になった時に発足して、すでに10年以上がたち、40名以上の医学博士を輩出してきました。幸い皆さん 優秀で、これまでは全員卒業することができました。そして、現在も20名以上の方が当教室の博士課程に在籍しております。当教室の研究の主体は臨床研究であり、基本は目の前の患者を診て、問題解決の課題を立て、最終的に患者様の診療に役立つことを目指した研究です。この他にも、必要に応じて基礎的な研究も行っております。問題意識を持ったものを自分で見つけてくる先生もいれば、当教室から与えられたテーマを研究する人など様々ですが、重要なことは自由であ ること、フレキシブルであるということです。研究の指導は私を筆頭に各分野の専門家がおこなっております。まずは、研究成果は業績を参照ください。多くの 若手の先生が学会でシンポジストとして発表しています。また、私が横浜市立大学に赴任して14年になりますが、この間約400もの英語論文が発表されてお り、非常に活発な研究活動をしていることもおわかりいただけると思います。また、より重要なことは、国内外の学会活動を通じて、同じ専門を志す同年代の消 化器内科医と友好を深めることです。大学内や病院内の狭い社会から、一気に全国、全世界の仲間ができます。これは一生の宝であり、医師人生を通じて発展さ せていけるものです。卒業生の中には学会で受賞した方も多くおります。また、Gastroenterology, Gut, Hepatology, American Journal of Gastroenterology, GI Endoscopyなど消化器分野のトップジャーナルで学位論文を書いた学生も多くおります。さらには、最近ではCell Metabolism, Nature, Nature Communicationなどの基礎系の世界的な一流誌にも論文がアクセプトされています。卒業後は何年か臨床をする時期を経て、留学される方もおります。当教室に在籍することで多くの論文業績ができることが多く、留学の際には非常に有利に働くことと思います。留学は海外旅行では決して味わえない最高の 経験と思い出を与えてくれます!是非、旬を逃さず、若いうちに海外へ行かれることを期待しています。

肝疾患センター 診療教授 挨拶

斉藤 聡
(さいとう さとる)
横浜市立大学大学院医学研究科
肝胆膵消化器病学
診療教授

肝胆膵消化器病学教室は横浜市立大学医学部医学科が、地域医療や国際的レベルでの研究などに求められる課題に応えていくことができるよう、組織的な強化をしていく第一歩を築くために中島淳教授と中心として、新たに設立された教室の一つです。横浜市の人口は約370万人のなかで唯一の公立大学の附属病院であり、私どもに課せられている責任は重大と考えます。そのでこれまでの消化器内科学教室を細分化することで大学病院内では患者サービスを中心として、また地域医療についてもより小回りの利いた対応が出来ることが期待されています。

肝胆膵消化器病学教室は横浜市立大学附属病院内では、これまでと同様に一般的な消化器疾患に対する診療、検査、治療を一通り経験することは可能です。さらにカプセル内視鏡、偽性腸閉塞、非アルコール性脂肪肝、自己免疫性膵炎など新しい検査、疾患や、難病などについても早くから臨床、研究において知見を重ねており、最新の医療を学ぶには最高の環境と考えます。また肝胆膵消化器病学の協力病院は、症例も多く高度医療が可能な地域の中核病院で、どこの病院で研修しても有意義な研修期間が可能であることが大きな特徴です。主な協力病院はいずれも各分野の認定施設であり、最短で各専門資格を取ることが可能となっています。勿論、将来的には総合内科を目指すが、その中でも消化器病をある期間集中的に学ぶことを希望される先生も躊躇することなく研修にいらしていただければ歓迎いたします。

肝胆膵消化器病学では後期研修や大学院が終了した若い先生方を国内、国外を問わず留学を応援しています。国内ではNTT東日本関東病院や愛知県立がんセンターなどへ臨床技術の研鑽を目的とした留学を、また基礎実験の発展を目的として他大学などへ留学をしています。また海外では国立米国衛生研究所(NIH)やマイアミ大学などに留学し国際的な人材の育成にも力を入れております。

昨今ますます活躍の場が増えている女性医師に対しても今後積極的に活動の場を提供できるシステムの確立を目指しています。小さなことではありますが、以前より横浜市立大学附属病院の肝胆膵消化器病学教室内に女性更衣室を設置してより働きやすい環境を早くから整えており、出来ることから改善していくことを目標としております。

是非、消化器病学の臨床、研究において活躍の場を探している若い先生方には当肝胆膵消化器病学教室にいらしていただくことを期待しております。

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