「肝胆膵消化器病学」は横浜市立大学附属病院の消化器内科部門です

小林貴医師の論文が『Scientific Reports』に掲載されました

2025-01-27

小林貴医師の論文「Lactiplantibacillus plantarum 22 A-3 ameliorates leaky gut in mice through its anti-inflammatory effects」が『Scientific Reports』誌に掲載されました。

Kobayashi T, Kessoku T, Iwaki M, Nogami A, Yoneda M, Saito S, Yamana Y, Nishitani Y, Kuwahara H, Nakajima A. Lactiplantibacillus plantarum 22 A-3 ameliorates leaky gut in mice through its anti-inflammatory effects. Sci Rep. 2025 Jan 25;15(1):3264. doi: 10.1038/s41598-025-87428-3. PMID: 39863665.

リンクはこちら

小林医師のコメント
本研究は丸善製薬株式会社との共同研究として、乳酸菌「Lactiplantibacillus plantarum 22A-3(LP22A3)」がマウスのリーキーガット症候群(腸漏れ)を改善することを明らかにしました。
リーキーガットとは、腸管の粘膜バリアが脆弱化し、内毒素などの腸内細菌由来物質が血液中に漏れ出ることで、全身に微細な炎症が持続する状態を指します。リーキーガットは、脂肪肝(MASLD)、アレルギー、アトピー性皮膚炎、自己免疫疾患、認知症、うつ病など、さまざまな疾患との関連性が指摘されています。
本研究では、LP22A3が腸管における抗炎症作用を通じて腸管透過性を改善することを確認しました。さらに、生菌だけでなく死菌でも同様の効果が得られることを発見しました。この成果は、プロバイオティクス製剤の安定性や保存性の向上につながる重要な知見であり、リーキーガットの治療法としてLP22A3が応用される可能性を示唆しています。今後は臨床応用に向けたさらなる研究の進展が期待されます。
本研究にご指導を賜りました中島教授はじめ肝胆膵消化器病学教室の先生方、ならびに貴重な機会をくださいました丸善製薬株式会社の皆様に心より感謝申し上げます。

↑ PAGE TOP