「肝胆膵消化器病学」は横浜市立大学附属病院の消化器内科部門です

Clinical Gastroenterology and Hepatology誌に掲載

2021-11-17

今城健人医師(現 新百合ヶ丘総合病院消化器内科部長)の論文がClinical Gastroenterology and Hepatology誌(Impact factor=11.4)に掲載されました。

Imajo K, Toyoda H, Yasuda S, Suzuki Y, Sugimoto K, Kuroda H, Akita T, Tanaka J, Yasui Y, Tamaki N, Kurosaki M, Izumi N, Nakajima A, Kumada T.
Utility of ultrasound-guided attenuation parameter for grading steatosis with reference to MRI-PDFF in a large cohort.
Clin Gastroenterol Hepatol. 2021 Nov 9:S1542-3565(21)01182-4. doi: 10.1016/j.cgh.2021.11.003. Epub ahead of print. PMID: 34768008.

URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34768008/#affiliation-1

今城医師のコメント
肝臓の脂肪化は肝臓の病態を進行させるのみならず、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患にも関与することが知られています。ゆえに、肝疾患診療において、肝脂肪化を正確に評価することは非常に重要です。肝脂肪化の評価には一般的に超音波Bモードという方法が用いられております。超音波Bモードは簡便に使用でき、多数例の健康診断でも使用しやすいというメリットがございます。しかしながら、超音波Bモードは検査を行う人の主観が強く客観性に乏しいこと、定量的評価が困難なこと、軽度の脂肪沈着は評価が難しいことなどの欠点を有しております。ゆえに、治験などの際の正確な肝脂肪化評価のためには肝生検による病理学的診断が行われております。しかし、肝生検は侵襲性が強くまたコストも高いという問題があるため、脂肪肝を疑う患者さん全員に行うことはできません。最近ではMRIのproton density fat fraction (PDFF)を用いることにより、かなり正確に肝脂肪量を評価することが可能となっております。ただ、MRIは肝生検ほどではないにしてもコストがかかること、閉所恐怖症や体内金属を有する患者さんでは施行困難なことなどのデメリットも有しております。ゆえに、より簡便かつこのPDFFに近い診断能を有する方法が望まれております。ここで我々は、GEヘルスケア社のultrasound-guided attenuation parameter (UGAP)に注目しております。UGAPは超音波の減衰を評価することで、肝脂肪量を測定可能とするアプリケーションです。今回、岐阜共立大学の熊田卓先生主導のもと、横浜市立大学肝胆膵消化器病学を含む6施設との共同研究により、UGAPの脂肪化測定法としての有用性を消化器病学の一流紙であるClinical Gastroenterology and Hepatology誌(Impact factor=11.4)に投稿し、アクセプトされております。本報告により、簡便かつ正確な肝脂肪化測定法としてのUGAPへの期待が高まることが予想されます。近い未来、肝脂肪化診断が大きく変わる可能性がございます。日本全国の高名な先生方と世の中の流れを変えるような研究に携われたことは一医療者として貴重な経験となります。このような素晴らしい多施設共同研究の機会を与えていただきました中島淳教授はじめ、多施設共同研究の皆様、GEヘルスケア社の皆様並びに横浜市立大学肝胆膵消化器病学の諸先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。

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