「肝胆膵消化器病学」は横浜市立大学附属病院の消化器内科部門です

米田医師の論文がHepatologyに掲載されました

2023-06-08

米田医師の論文「The role of MRI technology in liver evaluation for NAFLD patients: Advancements and opportunities」(Editorial)がHepatologyにアクセプトされました。

The role of MRI technology in liver evaluation for NAFLD patients: Advancements and opportunities.
Yoneda M, Nakajima A. Hepatology. 2023 May 23. PMID: 37212150 doi: 10.1097/HEP.0000000000000478. Online ahead of print.

LINK:https://doi.org/10.1097/hep.0000000000000478

米田医師のコメント
非アルコール性脂肪性肝疾患(Nonalcoholic Fatty Liver Disease: NAFLD)は、肥満人口や2型糖尿病罹患率の増加とともに、世界中で患者数が急増し、最も深刻な肝疾患の一つとして広く認知されております。これまでの数年間、国内外のガイドラインはNAFLDおよびNASHのリスクを伝えることに注力してまいりましたが、近年のガイドラインの変遷により、ルールアウト/ルールインの戦略が提唱されています。医療資源を重点的に集中させるべき対象として「リスクのあるNASH(at-risk NASH)」という概念が提唱され「NASHであり、かつ線維化が2以上進行している」という条件を満たす病態を指し、これに焦点を当てることが求められています。

NASHの診断やat-risk NASHの特定に際しては、PDFFやMRE、T1緩和時間など、MRI手法が活用されておりますが、これらの手法を直接的に比較したHead-to-headの研究はまだ存在していませんでした。本稿では、MRIの医療機器開発からNASHの臨床応用まで包括的に論じ、今後の発展についても考察しております。

Editorialは学術誌の中でも、重要なトピックやテーマについて論文を紹介し、追加の解説を行う短報です。今回の号では特に重要な論文に焦点を当て、その解説を行うことから、重要性が一層際立ってまいります。肝臓分野で最も権威のあるジャーナルであるHepatology誌からのEditorial執筆の依頼は、名誉あるものであります。中島先生、今城先生が先導してきた横浜市立大学肝胆膵消化器病学におけるNASH研究が世界的に認められたことは、大変喜ばしいことと考えます。この場を借りて、関係各位にご連絡し、また心からの感謝の意を申し上げます。

米田 正人

↑ PAGE TOP