「肝胆膵消化器病学」は横浜市立大学附属病院の消化器内科部門です

DEN Video Articleに掲載

2021-03-13

横浜市大附属病院の八木伸医師、 NTT東日本関東病院の鈴木英祐医師の症例報告が Digestive Endoscopy誌(Video Article)にそれぞれ掲載されました。

①Removal of pancreatic stones stuck in basket catheter with peroral pancreatoscopy and electronic hydraulic lithotripsy Shin Yagi, Yusuke Kurita, Atsushi Nakajima

Dig Endosc. 2021 Jan;33(1):e14-e15.
(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/den.13874)

膵石によるバスケット嵌頓に対するトラブルシューティングとして、経口膵管鏡(SpyGlassDS)が有用であった症例を経験したのでDEN Video Articleにて報告させていただきました。

今回、ERCPによる膵石除去時に膵石がバスケットカテーテルに嵌頓してしまいましたが、SpyGlassDS を用いて嵌頓した膵石をEHLで破砕することにより嵌頓の解除に成功しました。ERCPにおけるバスケット嵌頓は膵石/胆石除去時の重大な合併症の1つであり、その対処法としてはエンドトリプターの使用やESWLが一般的に知られていますが、本症例の様に使用可能であればSpyGlassDSもバスケット嵌頓の対処法として有効であると考えられます。

貴重な症例を経験させていただき、論文投稿までご指導いただきました胆膵グループの先生方に深く感謝申し上げます。

横浜市大附属病院
肝胆膵消化器病学
八木伸

②Case of bile duct coil embolization for broncho-biliary fistula after radiofrequency ablation (with video) Eisuke Suzuki, Yuji Fujita, Nobuyuki Matsuhashi

Dig Endosc. 2021 Mar 13.
(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/den.13953)

RFA後の気管支胆管瘻に対して胆管コイル塞栓術が有用であった症例を経験したのでDEN Video Articleにて報告させていただきました。

RFAの治療の合併症の一つであるbilomaは治療に難渋することも多く、経皮的ドレナージの恒久的留置になるケースを経験するかと思います。

今回はRFA後にbilomaが気管支と交通をもち、圧較差により生じる胆汁様喀痰の治療に難渋し、最終的に血管塞栓用のコイルを使用し胆管に留置することで瘻孔は閉鎖し、良好な結果を得ました。

この論文が、今後RFA後胆管損傷によるbiloma治療の発展に繋がると幸いです。

ご指導いただきました先生方に深く感謝申し上げます。

NTT東日本関東病院
肝胆膵内科
鈴木英祐

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