「肝胆膵消化器病学」は横浜市立大学附属病院の消化器内科部門です

免疫チェックポイント阻害薬のnivolumab単回投与後に急性肝不全を発症した一例に関する症例報告をClinical Journal of Gastroenterologyにアクセプトいただきました

2023-04-28

Nogami A, Wada N, Muraoka E, Iwaki M, Kobayashi T, Matsumura M, Kato I, Fujii S, Nakajima A, Yoneda M. Mortality associated with the development of acute liver failure after a single dose of nivolumab. Clin J Gastroenterol. 2023 Apr 19. doi: 10.1007/s12328-023-01789-8. Epub ahead of print. PMID: 37076635.

実臨床において、悪性腫瘍に対して免疫チェックポイント阻害薬を使用する頻度が年々高まっています。本論文は、食道癌に対してnivolumabを単回投与後に急性肝不全を発症し、剖検を行った症例の報告となっています。単回投与であっても、致命的になりうること、またモニタリングの重要性についてまとめました。

残念ながら患者様は他界しておりますが、多くのことを学んだ一例でした。

今後化学療法を行う際には、これまで以上に肝障害に注意するとともに、免疫チェックポイント阻害薬の投与により同様の転帰をたどる可能性のあることを知っていただけたら、と思い論文化いたしました。

中島淳先生、米田正人先生をはじめ、ご指導いただいた共著者の皆様に心より感謝申し上げます。

野上 麻子

↑ PAGE TOP