「肝胆膵消化器病学」は横浜市立大学附属病院の消化器内科部門です

Digestive Endoscopyに論文が掲載されました。

2022-06-18

Digestive Endoscopyに論文が掲載されました。

Ashikari K, Chiba H, Nakajima A. Endoscopic submucosal dissection without
intubation for superficial pharyngeal cancer in a post-total laryngectomy
patient. Dig Endosc. 2022 May 19. doi: 10.1111/den.14313. Epub ahead of print.
PMID: 35588229.

芦苅医師のコメント
頭頸部領域に発生する早期咽頭癌・早期喉頭癌の低侵襲治療としてELPSやESDが選択されます。 通常、咽頭ESDでは全身麻酔下、気管挿管し、彎曲型咽喉頭鏡で視野を展開して治療を行います。 今回、下咽頭癌に対し喉頭全摘術、永久気管孔が増設された患者に発生した異時再発咽頭癌に対し、気管挿管をおこなわずに内視鏡室でESDを施行した1例を報告しました。 気道と消化管が分離されており理論的に術中の誤嚥がないため、非挿管下にESDが可能ではないかと考えました。 そして気管挿管をおこなわないのであれば全身麻酔も不要であり、内視鏡室で通常のESDと同様に施行することとしました。 咽頭癌も後壁に存在し視野が良好であったため、彎曲型咽喉頭鏡も使用せず、超低侵襲治療が実現しました。 論文では実際の動画もご覧いただけますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

普段から耳鼻科の先生と密に相談し垣根のない診療を心がけていたので、耳鼻科の先生方にも後押しいただき、今回のケースレポートを完成させることができました。ありがとうございました。 またESDを行うにあたって一緒に検査に立ち会ってくれた内視鏡チームの先生方、論文の相談に乗っていただいた大森赤十字病院の千葉先生、執筆のご指導をいただいた中島教授にこの場を借りて御礼申し上げます。

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