「肝胆膵消化器病学」は横浜市立大学附属病院の消化器内科部門です

CIPOの研究論文が神経消化器病領域のトップジャーナルの表紙を飾りました

2017-11-20

大久保秀則医師らの研究論文『Efficacy of percutaneous endoscopic gastro-jejunostomy (PEG-J) decompression therapy for patients with chronic intestinal pseudo-obstruction (CIPO)』がNeurogastroenterology & Motility誌(2017 Dec;29(12)).の表紙に掲載されました。

大久保医師、中島淳教授らはこれまで消化器領域での運動異常の最重症難病である慢性特発性偽性腸閉塞症(CIPO)の研究を精力的にしてきました。

大久保医師らは世界初の診断基準の提案 (Ohkubo H, Nakajima A et al. An epidemiologic survey of chronic intestinal pseudo-obstruction and evaluation of the newly proposed diagnostic criteria. Digestion. 2012;86(1):12-9.)をおこない、これまで診断確定までの数年から10年もかかっていたCIPOの診断を容易にし、朝倉内科学に当該疾患の項目を入れて解説を行うなど疾患概念の普及に尽力してきました。その後本疾患の確定診断には開腹による腸管壁全層生検が必要であったのですが大久保医師らは世界で初めて腸管の運動をMRIの動画で診断できるシネMRIを開発してきました。

その成果は消化器分野のトップジャーナルであるAmerican journal of Gastroenterologyに掲載され同時にフロントページを飾りました(Ohkubo H,Nakajima A et al.Assessment of small bowel motility in patients with chronic intestinalpseudo-obstruction using cine-MRI. Am J Gastroenterol. 2013 Jul;108(7):1130-9.)。

その後、本疾患は公費助成難病に指定され、医療費の補助が国から行われるようになりました。今回の論文はこれまで当該疾患に関しては腸管減圧の治療は外科的な腸瘻を作成することが主な治療法でしたが、今回の開発はそのようなことをせずに内視鏡的に小腸内に減圧チューブを挿入して減圧するもので、患者さんは短期間の入院で治療を受けることができ、非侵襲的であるばかりか、社会復帰もでき栄養状態もよくなることが確認されました。

大久保医師らの作成したチューブはすでに発売も(国内のみ)されております。今回の研究成果は我々がこの難病治療に精力的に取り組んできた成果が海外で高く評価されたものであるとともにこの病気で苦しむ患者さんに何よりもの福音と考えております。我々はこの難病とこれからも戦い続け、研究を継続していくつもりです。

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