Journal of Gastroenteroloy 誌と Digestive Endoscopy 誌に掲載
2020-01-24
栗田裕介医師の論文2報がそれぞれ Journal of Gastroenteroloy 誌 と Digestive Endoscopy 誌に掲載されました。
1. Comparison of prognosis between observation and surgical resection groups with small sporadic non-functional pancreatic neuroendocrine neoplasms without distant metastasis.
Kurita Y, Hara K, Kuwahara T, Mizuno N, Okuno N, Haba S, Okuno M, Natsume S, Senda Y, Kubota K, Nakajima A, Niwa Y, Shimizu Y.
J Gastroenterol. 2019 Dec 19. doi: 10.1007/s00535-019-01655-w.
栗田医師のコメント
愛知県がんセンターにおいて2cm以下の非機能性PNETにおける経過観察例と切除例における臨床経過についてまとめた報告となります。
欧米や本邦において2cm以下の局所病変のPNETはその予後のよさと膵切除における合併症などのリスクから、手術か経過観察にするかでその治療方針はcontroversialになっております。本研究では2cm以下の局所病変PNETにおける切除例と経過観察例の予後を示しました。特に1cm以下のPNETは予後が良好であり、同時性肝転移もないことから経過観察が許容される可能性が示唆されました。
単施設レトロであり、統計や疫学上の観点から結論付けることは困難ですが、希少疾患であるPNETにおいては、相当数で長期間観察した報告となり、今後の治療方針の根拠として、また今後の追加研究につながりうるものと考えております。
2.Features of chronic pancreatitis by endoscopic ultrasound influence the diagnostic accuracy of endoscopic ultrasound-guided fine-needle aspiration of small pancreatic lesions.
Kurita Y, Kuwahara T, Hara K, Mizuno N, Okuno N, Matsumoto S, Obata M, Koda H, Tajika M, Shimizu Y, Nakajima A, Kubota K, Niwa Y.
Dig Endosc. 2019 Jul 30. doi: 10.1111/den.13497.
栗田医師のコメント
10mm以下の膵腫瘍に対するEUS-FNAの成績をまとめた内容で、背景の慢性膵炎の有無がその診断能に影響を与えることを示唆した論文になります。10mm以下の小さな膵腫瘍のEUS-FNAをまとめた単独の報告としては最多数例となり、長年の課題である膵癌の早期診断の観点からも意義あるものになったと考えております。
愛知県がんセンター、横浜市立大学関係者皆様のご協力、ご指導の賜物と考えております。誠にありがとうございました。